現在、コロナウイルスがパンデミックと形容されるようになってから、私の住んでいるカナダでは、ソーシャルディスタンシングが実行されています。
「ソーシャルディスタンシング」というこの言葉自体、コロナウィルスが社会問題になって、初めて耳にしたという人も多いのではないでしょうか。
この記事では
ソーシャルディスタンシングとはなにか
ソーシャルディスタンシングのメリット
ソーシャルディスタンシングの実施方法
について解説していきます。
ソーシャルディスタンシングとは-Social Destancing
ソーシャルディスタンシング-Social Destancingとは、直訳すると社会的距離となります。
つまり簡単にいうと、物理的に人と人との距離を一定に保ち、人混みを避けましょうということです。
カナダでは、この距離を具体的な数字で6フィート又は2メートルとしています。
私の住んでいるカナダノバスコシア州では、ソーシャルディスタンシングを実行するために、各方面で様々な動きが見られました。
- 州内の全ての教育施設、医療従事者が抱える子供達向けの保育施設を除く全ての保育園は閉鎖
- 必然的に多くの人々が1箇所に集まってしまう映画館、図書館、プールやジムも閉鎖
- スポーツイベントなどは全て中止か延期
- カナダ政府は2020東京オリンピックが予定通り行われる場合は、カナダ選手団派遣の中止を決定
ここで勘違いをして欲しくないのが、これは私たちが一切の外出を禁止されているわけではないということ
正しい外出方法については、後ほど具体例を紹介します。
ソーシャルディスタンシングのメリット
ソーシャルディスタンシング実施することにより期待できるメリットの説明をします。
最近、ツイッターやインスタグラムで
#Flatten The Curve
という言葉を目にしませんか。
単語を一つずつみると
- Flatten=平らにすること
- The curve=カーブ
ですね。
直訳すると「カーブを平らにしましょう」ということになります。
ここでいう「カーブ」は、コロナウイルスの感染者数を意味しています。
言葉だけでは少々わかりずらいと思うので、簡単なグラフで説明します。
青い山を見てみるとわかるように、一時的に感染者数が一気に増えてしまうと、医療機関の受診が必要な重傷患者が、適切な処置を受けられないことになります。
しかし、同じ感染者数であったとしてもその数を常に一定数以下(カーブを平らに)に保つことによって、医療機関のパンクを防ぎましょうということを意味しています。
コロナウイルスの感染を0にすることは不可能に近いですが、人々が感染する数そのものを医療機関で受け入れられる数以下に保つ必要があります。
ソーシャルディスタンシングは、コロナウイルスの感染者数が一時期に急激に増えることを防ぎ、常にコントロールできる人数に保つことで、コロナウイルスによる死亡率を下げることができます。
ソーシャルディスタンシングの正しい実施方法
ソーシャルディスタンシングの正しい実施方法を知ることは、ウイルスの感染を防ぐだけでなくストレスを無駄に溜め込まず文化的な生活を送る上で重要になってきます。
先にも述べましたが、一切の外出を禁止しているわけではありません。
ここからはノバスコシア州が実施しているソーシャルディスタンシングについて紹介していきます。
荷物の受け取り
通常受け取り署名の必要な郵便物等は、一時的に署名を不要とし配達員はドアの前に荷物を置くことで受取人と接触することを防ぐことになりました。
リモートワークの実施
会社に出勤する途中や社内での集団感染を防ぐため、可能な限り自宅からのリモートワークに切り替わりました。
私の知る限り、政府の移民局の人たちはみんな自宅でのリモートワークを実施しているようです。
そのため担当者と電話は繋がらず、全てメールのみのやりとりとなりそうです。
自主隔離の要請
ノバスコシア州外から州内へ入ったものは、コロナウイルスの一切の症状が無かったとしても14日間の自主隔離をする必要があります。
バスの乗車方法の変更
ソーシャルディスタンシングの実施として、できる限りバスの利用は避けるように呼びかけがありました。
それでも利用が必要な人は最低数いるので、その場合は次のように乗車する必要があります。
ハリファックスのバスへの乗車は、これまで運転手のいる前方からのみでしたが、ソーシャルディスタンシングの実施の一環として、後方ドアのみを利用した乗車及び下車となりました。
この場合、料金の支払いは必要ありません。つまりタダということです。
また、車内では乗客同士は6フィート又は2メートルの距離をできる限り保つため、他の乗客からは離れて座るように呼びかけています。
ウォーキングやランニングをする
コロナウイルスが社会問題になってからは、外に出ることを極端に怖がり、何日も家の中に缶詰という人もいるでしょう。
外に出てウォーキングやランニングをし、太陽の光を浴び、外の空気を吸うことはよい気分転換になります。
ただし、屋外であっても人と人とは6フィート又は2メートルの距離を保つ必要があります。
まとめ
今回は
- ソーシャルディスタンシングとはなにか
- ソーシャルディスタンシングのメリット
- ソーシャルディスタンシングの実施方法
の3点について解説していきました。
カナダ国内のコロナウイルスの感染者数は、日に日に増えていっているのが現状です。
この状況は当初想像していたよりも、長期化することになりそうです。
ソーシャルディスタンシングを正しく行うことで、ウイルスの感染を防ぎながらも無駄なストレスを溜め込にすぎないようにするのが大切です。