カナダ・ノバスコシア州の新型コロナウイルスの最新情報と現地の人々の反応

　私の住んでいるカナダノバスコシア州で初の新型コロナウイルス感染者が出てから2週間が経ちました。

　日本でもこの2週間の間に東京2020オリンピックの延期が発表されたり、小池東京都知事が外出禁止を促したりと、新型コロナウイルスの状況は日を追うごとに変化しています。

そんな中、少し驚いたニュースがありました。

広島の女子大学生が禁止されていたにも関わらず海外旅行に行き、症状があるにも関わらず卒業式に出席

もし彼女と同じことを今私がノバスコシア州内でやった場合、なんと罰金を支払わなければなりません。

詳しい金額等は後ほど紹介しますが、このように、日本とカナダでは新型コロナウイルスに対する認識に少し温度差があるように感じます。

　今回の記事では、カナダ・ノバスコシア州の現在の新型コロナウイルスの状況と、現地に住む人々の反応や取り組み、考え方についてお伝えしていこうと思います。

カナダ・ノバスコシア州の新型コロナウイルスの最新情報

新型コロナウイルスの情報は、カナダ国内でも毎日のようにTVやネットニュースで配信され、カナダのトゥルドー首相や　各州知事も定期的に会見を開いています。

ノバスコシア州の新型コロナウイルス感染者数の推移

ノバスコシア州内では、新型コロナウイルスを判定する体制が整っていない当初は、マニトバ州のウィニペグの国立病原体研究所へ検査を提出し、そこから検査結果を待つ必要がありました。

その間は、”推定”というステータスでした。

新型コロナウイルスのノバスコシア州上陸は、3月15日の3人から始まりました。

3人全員が国外旅行者だったようです。

在モントリオール日本国総領事館より参照

現在は、日本語での情報も在モントリオール日本総領事館から毎日提供されています。

というのも、ノバスコシア州を管轄しているのは、在モントリオール日本国総領事館です。

これまでは月に1回くらいの頻度で、何かしらのEメールが送られてくるくらいでした。

それが2月28日からは新型コロナウイルスの情報発信が、Eメールにより毎日送られてくるようになりました。

ノバスコシア州の新型コロナウイルスの取り組み

ノバスコシア州が非常事態宣言を発表

ノバスコシア州知事は、3月22日に非常事態宣言を発表しました。

ノバスコシア州公式HP　でも、新型コロナウイルスに関する最新情報を確認することができます。

このページでは、新型コロナウイルスの症状、感染者数、取締り規制の情報を公開しています。

また、新型コロナウイルスの感染が確認されたイベントの公開をし、もしそのイベントに参加していたら、様子をみて症状があるなら必要な処置をするよう呼びかけています。

カナダ政府及びノバスコシア州が行っているその他の具体的な対策は以下の通りです。

国境の閉鎖

カナダ国民またはその家族及び永住権所有者以外については、カナダへの入国を禁止しています。

これは現在カナダ国内の教育機関に通学する外国人学生や、既に就労ビザを保持しているものには適用されません。

これからカナダ国内の大学に進学するために学生ビザの申請をしても、許可されない（または通常以上に時間がかかる）可能性が十分にあることを考慮する必要があります。

罰金の制定

非常事態宣言が発表されてから、現在ノバスコシア州内ではソーシャルディスタンシングや自己隔離をしなかったものには、罰金が課せられます。

• 個人の場合：＄1000
• 事業主の場合：＄7500

賃貸料

新型コロナウイルスの影響で、レストランなどの飲食店などは休業を余儀なくされ、売り上げに大きなダメージを受けています。

そういった中小企業向けに、3ヶ月の家賃補償を発表しました。

確定申告期間の延長

新型コロナウイルスの感染拡大防止・休職者への配慮として、確定申告の Income tax （所得税）控除の申告期限を4月30日から6月1日まで延長することが決定しました。

ちなみに Income tax（所得税）控除を個人で行う方法についてまとめた記事はこちら

長期介護施設への援助

高齢者が生活する介護施設への出入りも禁止されているため、家族などが面会できないことで孤独を感じる高齢書も多くいます。

そういった人達が家族と会話をする手段として、既に800台のiPad を配布しました。

もしも新型コロナウイルスかと思ったら

ノバスコシア州では、自分が新型コロナウイルスに感染しているかもしれないと思った場合にとるべきステップがあります。

自己判断でコロナウイルスに感染していると思っただけでは、病院に行って検査や治療を受けることは原則できません。

そうすることによって、医療機関のオーバーフローと病院内でのクラスター感染を防ぐことができるようです。

もしも自分が新型コロナウイルス に感染しているかもしれないと思ったときは、以下のステップを踏む必要があります。

1. ノバスコシア州HPの専用ページ　からセルフチェックする
2. そこで疑いがある場合は811に電話をする
3. さらに疑いがある場合は、811の担当者から病院を案内してもらう
4. 紹介してもらった病院ヘ行く

カナダ・ノバスコシアの人々の取り組み

　新型コロナウイルスの拡散を防ぐSNS上の呼びかけ

私の周りでも、カナダ人の友達や知り合いは、前回の記事でも紹介したように、＃Flattenthecurve　＃Stayhome とハッシュタグを付けてSNSに投稿するなどして、新型コロナウイルスの拡散を防ぐためにお互い呼びかけるための様々な取り組みが見られました。

特に3月15日にノバスコシア州で初の感染者が確認された際には、SNS上で

「イタリアも2週間前までは感染者は3人だったが、現在は2000人を超えた」

という一文と一緒に拡散防止を促す投稿をたくさん見ました。

イタリアの新型コロナウイルスの爆発的感染に恐怖を感じた人たちが多くいたように個人的に感じます。

さらに最近では、お互いウイルスを感染しない・させないように、一人一人が意識する必要があるといった内容のSNSの投稿も多く見ます。

日本でもよく知られる有名人では、ナタリー・ポートマンやエマ・ワトソンも＃Istayhomefor のタグで投稿しています。

新型コロナウイルスの拡散を防ぐ地域の取り組み

ネットの世界だけでなく、もちろん現実世界でも様々な取り組みがなされています。

ソーシャル・ディスタンシングの一環として、スーパーのレジにも工夫がされています。

普段レジの前で並ぶスペースには、2メートル間隔でガムテープが貼られており、並ぶ際には人と十分に距離が取れるようになっています。

ハリファックス市内の全てのレストランは店内の飲食を禁止し、デリバリー若しくはテイクアウトのみの販売とすることで、5名以上が1箇所に集まらないようにしています。

道路で人とすれ違うときは、”Hi” や ”Hello” と声を掛け合い、お互いに十分に距離が取れるように脇によけながら歩いたりしています。

みんながお互いに相手を気遣っているのが日常的に見えます。

海外から見た日本人の新型コロナウイルスへの対応

ここから少し日本とカナダの新型コロナウイルスに対する温度差について紹介していきます。

新型コロナウイルス真っ只中にお花見をする日本人＝ノバスコシア州では罰金対象！？

最近海外のネットニュースで話題となっているのが、日本のお花見の映像です。

大勢の日本人が桜の木下で大勢集まりお酒を飲んでいる映像は、カナダ人にはショックが大きかったようです。

さすがの私も驚きました。

また、広島県の女子大学生が禁止されていたにも関わらず海外旅行に行き、症状があるにも関わらず卒業式に出席したことが問題になっていました。

もしそれがノバスコシア州内で起こっていたら、彼女は＄1000の罰金を課せられることになります。

それほど国または州が新型コロナウイルス に対して、深刻に捉えているように感じます。

日本人が新型コロナウイルスを深刻に捉えない理由

新型コロナウイルスが問題となってから、日本はイタリアを始めとするヨーロッパ諸国で現在起こっている爆発的な感染が予想されていた一方、つい5日程前までは東京都の感染者数は20人弱ほどしか確認されていませんでした。

もしかすると、この感染者の「数」が日本人の危機意識を低下させてしまっているのかもしれません。

そしてこの「数」の問題。

本当にその「数」が正確なのか。

これには、様々な意見や憶測・見解が飛び交っています。

日本人の感染予防の水準は世界トップレベルだからだ、という人もいますが、一方でスタンフォード医学大学のジョン教授は

もしかするとこれは氷山の一角かもしれない。検査をしなければ症例数としてあがってこない

と指摘しています。

また、ある海外メディアでは、日本の新型コロナウイルスのピークはむしろこれからなのかもしれないとも述べています。

　まとめ

今回の記事では、ノバスコシア州の新型コロナウイルスの最新情報と人々の反応についてまとめました。

日本の新型コロナウイルスへの対応は少々甘いかなとは思いますが、これも政府が国民の良心に頼っているところが大きいのかなと思います。

政府が決めない限り、もはや個人レベルでやるしかありません。

個人的には、日本人個々の衛生水準は世界一だと思っています。

手洗いうがいは普段の日常生活からよくするし、文化的に人と会ったときにハグをしたりキスをしたりすることもないし、普段からマスクをするなど感染症の予防に関してはどこの国よりも意識高くできると思います。

と言いつつも、東京都の新型コロナウイルスの感染者数が急激に増えてきているので、もしかしたら本当にピークはこれからなのかもしれません。