こんな疑問にお答えします。
いまさら聞けないサマータイムとは?
サマータイムは。主にカナダやアメリカ、ヨーロッパなど時期によって日照時間の差が大きい高緯度の国で行われています。
デイライトセービングタイムとも呼ばれています。
日本では馴染みが内容に思えるこのサマータイム。
実は日本でも終戦後に一旦取り入れられたことがあるのをご存知でしょうか。
終戦後の日本で、一度サマータイムを実施しましたがすぐに廃止になった経緯があります。
日本がサマータイムを取り入れるべきかどうかは常に議論されていて、2020年東京オリンピックの開催が決まってからも再度話題に上りました。
しかし毎回見送られるというのを繰り返して現在に至ります。
サマータイムの目的とは?
デイライトセービングタイムという名前からもわかるように、要は
「電気代を節約しましょう」
というのが大きな目的の一つ。
サマータイムのやり方
具体的なやり方です。
- サマータイムが始まる日に時計の針を1時間進める
- サマータイムが終わる日に1時間戻す
サマータイムを始める日は、各国によって異なります。
カナダのサマータイム
- サマータイム開始日:毎年3月の第2日曜日の午前3時
- サマータイム終了日は:11月の第1日曜日の午前2時
※サスカチュワン州など一部の地域ではサマータイムは実施されていません。
変更時間を真夜中の2時、3時に設定している理由→一番生活に支障のない真夜中だからだそうです。
サマータイムをやる意義
時計の針を進めることで、何の意味があるの?
と言う人のために、わかりやすくハリファックスの夏至の日で見ていきます。
- 夏至:2020年6月20日
- 日照時間:15時間34分14秒
- 日出:5時28分
- 日没:21時3分
日出没の時間は、サマータイムが適用された時間ですので、実際の時間はそれぞれ1時間前倒しの時間です。
つまり、サマータイムを実施しないと、朝の4時半頃にはすでに明るいと言うことになります。
この図の青い線は1日の業務時間を示しています。
- 上の青線:通常時
- 下の青線:サマータイム適用時
- 赤い曲線:太陽の位置(1番高い時は正午)
この2つの線は、同じ長さ(同じ業務時間)です。
通勤時間の太陽の高さをそれぞれ比べてみると、サマータイム適用時の方が低いのがわかると思います。
=サマータイムを適用したほうが、通勤時間は涼しいということを示しています。
勤務終了後についても比べてみましょう。
サマータイムを適用したほうが日没までに余裕があります。
つまり、この時間に余暇を楽しむことができます。
サマータイムのメリット・デメリット
サマータイムのメリット
実際にサマータイムに期待する効果としては以下のようなことがあげられます。
- 朝の冷房用電力や夕方の照明等が節約されるため、電力消費を削減することができる
朝の通勤通学時間は、サマータイムを導入する前の時間と比べると涼しい時間帯になることを意味します。
つまり、涼しい分エアコンなどの使用が通常時よりも減らせるとのことから節電に繋がるとの考え方です。
- 日常生活の時間が1時間前倒しされることで余暇時間内の日照時間が1時間増加して有効的な時間を過ごせる
サマータイムの時期に発生するこの1時間を、それぞれ趣味などに使うことができます。
明るいうちはまだ家に帰りたくないのは子供だけでなく、大人の同じなのかもしれませんね。
- 外出を伴うレジャーや外食の機会が増加することで経済効果が期待できる
通常より1時間日没が遅い分、外出する人が増えるということは外食をする人やレジャーにお金を使うことになります。
サマータイムの時期は通常時よりも人々がお金を使うことで、世の中にお金が回り、経済が良くなるという見方があるようです。
サマータイムのデメリット
しかし良いことばかりではないようです。
これらの理由からサマータイムを廃止するべきだとの声が、各国で上がっているのも事実です。
- 時間調整の作業にかかるコストが膨大
サマータイムが始まる日と終わる日に、官公庁を始めとする企業などのシステムの時間を調整する作業が必要になり、これに伴うコストやリスクが大きくなります。
サマータイムのメリットの一つでである、余暇を楽しむことで発生する経済効果を大きく上回るコストとなってしまっては、本末転倒な気がしますね。
そもそも最初にサマータイムが世界的に広まったのは、第一次世界大戦の最中。
その時代にはサマータイムが消費電力の削減に貢献した事実があったようです。
しかし現在はLEDの登場などを見てもわかるように、サマータイムをしなくても消費電力を抑えることができているようです。
そのため、サマータイムで節電しようというのは、もはや現代にはそぐわない制度だというのが、学者さんたちの見解の様です。
- 国民の就業時間の増大
就業時刻が早まっても就業時間に変わりがないと、国民がただ疲弊するだけといった意見も多いようです。
実際に過去に日本でサマータイムが導入された際は、この問題が深刻で反発が広がり、サマータイムは数年で廃止となった背景があるようです。
- 健康に良くない
サマータイムが引き起こすと言われている不調は3つあります。
睡眠の質の低下
サマータイムが始まる日:1時間睡眠時間が短くなる
サマータイムが終わる日:1時間睡眠時間が長くなる
「睡眠の質に影響があるのは年に2日だけ」という意見がある一方で、「2日ではなく、サマータイムを実施している期間ずっとだ」という専門家の意見もあります。
うつ病
睡眠の質の低下は、 集中力の低下、業務効率の低下などの原因となり、これらはうつ病患者の増加の引き金にもなりかねない、と研究者達は指摘しています。
集中力の低下
また、海外ではサマータイム開始の翌日は、事務員の無駄なネットサーフィン率が高まるという面白い研究結果もあります。
子供に及ぼす悪影響
お子さんがいる家庭の場合、サマータイムになると通常寝付く時間になっても、まだ明るいということなります。
そのせいで子供がなかなか寝付かずに、寝不足になる可能性もあります。
まとめ
今回は、サマータイムについて解説しました。
日本は実施していませんが、高緯度の国では実施している国も多いのが現状です。
しかし、そのデメリットから廃止する国も増えているようです。
アナログの腕時計などをお持ちの方は、自分で針を進めたり戻したりする必要があります。
海外旅行に行く際は、サマータイムを自動的に認識して時間合わせてくれる電波時計の腕時計を一つ持っていれば良いし、今はスマホの世界時計アプリがあるので、ややこしいことを考えずに済むので便利かもしれません。